松山地方裁判所 昭和36年(行)5号 判決 1966年6月13日
原告 合資会社新津商店
被告 宇和島税務署長
訴訟代理人 村重慶一 外三名
主文
(一) 被告が昭和三五年一一月三〇日付でなした原告に対する青色申告承認を昭和三四年三月一日から昭和三五年二月二九日までの事業年度以降取消す旨の処分の取消を求める原告の訴は、これを却下する
(二) 原告のその余の請求を棄却する。
(三) 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 <省略>
理由
第一、原告の青色申告承認取消処分の取消を求める請求について
一、被告は、本案前の抗弁として、原告の本件青色申告承認取消処分の取消を求める訴は、原告において法定期間内に右取消処分に対する再調査の請求をせず、従つて適法な前審手続を経由していないから、不適法である旨主張するので、まずこの点について判断する。
二、被告が、原告の係争事業年度(昭和三四年三月一日から昭和三五年二月二九日まで)における法人税青色申告に関し、昭和三五年一一月三〇日、改正前の法人税法第二五条第八項第三号(以下引用の法令はいずれも当時のものである。)に該当する事実があるとして、原告に対する青色申告承認を係争事業年度以降取消す旨の決定をなし、同時に所得金額等の更正決定をなして右各決定通知書が同年一二月一日原告に到達したこと、原告は右更正決定に対しては直ちに不服申立の手続をとつたが、青色申告承認取消処分については、法定の請求期間である一ケ月を経過した後の昭和三六年三月四日に至つて直接高松国税局長に対し不服申立書を提出し、この申立は再調査の請求として扱われたのであるが法定期間徒過を理由に被告によつて却下されたので、更に同国税局長に対し審査請求をしたけれども同年七月一四日これを棄却されたことは当事者間に争いない。
ところで、原告は右の点について、まず(1) 本件青色申告承認取消処分と法人税更正決定とは、その内容が相関連し一体不可分であるから、後者に対する不服申立は当然前者に対する不服申立を含むものというべく、原告はその趣旨で法定期間内に被告に対し更正決定に対する再調査請求書を提出したものであるから、これによつて青色申告承認取消処分についても適法な再調査請求がなされたものというべきであると主張する。なるほど本件青色申告承認取消の要件である「当該法人の備え付ける帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載する」事実の有無と更正決定における課税標準を構成する所得の一部(後叙別紙第一表5、6の所得)の有無とは内容的に重複する面もあり、また青色申告承認取消を前提として更正決定における課税標準を構成する所得の一部(後叙同表4、7の所得)を生じ、両者相関連していることは疑いのないところである。しかしながら、青色申告承認取消処分と法人税更正決定とがその性質上各別個独立の処分であることはいうまでもなく、法人税法上も青色申告承認取消処分に対する不服申立手続が更正決定等に対する不服申立手続に関する規定を準用する形式で特に別個に定められていることに徴し、たまたま法人税法第二五条第八項第三号の場合において両者が内容的に相関連することの故をもつて後者に対する不服申立が同時に当然前者に対する不服申立を包含するものとは到底解し得ないとこである。また、成立に争いない乙第一号証(法人税再調査請求書)によれば、原告の更正決定に対する再調査の請求は被告備付の所定用紙を使用してなされたものであるが、同用紙の裏面に記載方法として青色申告書提出承認の取消等に対する再調査の請求をするときは、「再調査の対象事項」欄中の「その他」、欄のにその対象とする事項を記載し、再調査請求事項についての不服の理由は別紙に記載して添付するよう特に明示されているにもかかわらず原告は右再調査請求書の「その他」の欄に何ら記載をしなかつたばかりか、これに添付した不服申立の理由書にも後叙の未収リベート及び山林収入に関する被告の更正決定に対して不服の理由を記載するのみで青色申告承認取消については全く触れるところがない事実を認めることができる。してみると右再調査請求書中に青色申告承認取消処分に対する不服申立の趣旨が包含されていたともいえないから、原告のこの点に関する主張は理由がない。次に、(2) 原告は、高松国税局長が原告より提出された青色申告承認取消処分に対する不服申立書を再調査請求として扱う旨の措置をしたからこれにより法定期間不遵守の瑕疵は治癒されたと主張する。しかし、<証拠省略>によれば、右は高松国税局長が同日付で原告から同国税局長宛に直接提出された青色申告取消に対する不服の事由書」と題する書面を正規の不服申立の順序に従わせるため再調査の請求書として取扱い、所轄宇和島税務署に回付したものに過ぎないのであつてこれによつて請求期間徒過の瑕疵が治癒されたと解する余地はない。(なお、同国税局長は本件青色申告承認取消処分に対する再調査請求を却下した決定に対する審査請求を棄却する決定をしているが、成立に争いない甲第四号証の四によれば、同国税局長は原処分の実体に立入つてその当否を判断したものでなく、再調査の請求が法定の請求期間を徒過しているからそれを理由にこの請求を却下した再調査決定には誤りがない旨を説示して棄却したに止り、右は法人税法第三五条第五項第二号、第六項によりこれを棄却した趣旨と解せられる。そしてこの場合は、原処分の適否について実体的審査が行われるわけではなく、再調査の目的となつた処分に対する審査の請求が単に法律上棄却されたものとみなされるに過ぎないから、これによつて原処分の当否を争う取消訴訟の前提要件としての再調査請求及び審査請求の各手続を経由したものとすることもできない。)更に、(3) 原告は本件青色申告承認取消と法人税更正決定は一体不可分であるがら、後者について適法に再調査及び審査請求の手続がなされている以上、前者についてその手続を経ていなくてもその取消を訴求しうると主張するが、かように解すべき合理的な根拠のないことは、前説示のところから明らかである。その他本件全立証によるも、原告が法定の請求期間内に青色申告承認取消処分に対する再調査の請求をしなかつたことについて巳むを得ない事情の存在は認められないので、右法定期間徒過後になされた原告の再調査の請求は不適法であり、再調査の請求を却下した決定に対する審査請求も前記のような理由で原処分の適否につき実体的審査が行われることなく棄却された以上、右処分の取消を求める訴は、再調査及び審査の手続を経ないで提訴されたものに帰し、訴提起の要件を欠き不適法である。
三、よつて、原告の青色申告承認取消処分の取消を求める本件訴は、その請求の当否について判断するまでもなく不適法として却下さるべきである。
第二、原告の係争事業年度における更正決定の取消を求める請求について
一、当事者間に争いのない事実は次のとおりである。
(一) 原告が昭和三五年四月二七日被告に対し係争事業年度の所得金額を六一四、九一五円と記載した青色申告書を提出し、これに対し被告が昭和三五年一一月三〇日原告に対しその主張の如き内容の更正決定をなし、右決定の通知書は同年一二月一日原告に到達したこと並びに原告が右更正決定についてその主張の如き再調査及び審査の請求をなした結果、高松国税局長が同年七月一四日原処分の一部を取消し、所得金額を五、九六六、六八一円、法人税額を二、四五六、四三〇円、過少申告加算税額を八一五〇円、重加算税額を六二五、五〇〇円とする旨の審査決定をなしたこと
(二) 右更正決定における原告の所得金額五、九六六、六八一円(ただし、審査決定による一部取消後の金額である)のうち、(1) 当期利益金五九、八九一円(別紙第一表1)、(2) 損金に計上した法人税四七五、六三〇円(同表2)、並びに(3) 損金に計上した県民税及び市民税七五、八八〇円(同表3)であること
二、そこで、以下本件の各争点について順次判断する。
(一) 山林収入除外利益三〇〇万円について(別紙第一表6)
原告が昭和三四年一一月三日訴外山長木材株式会社に対し宇和昆市柿原の所在の山林及び北宇和郡日吉村日向谷字ヤナギサコ所在の山林の各立木を売却したことは当事者間に争いがない。
そこで右立木の売買代金が被告主張の一、一五〇万円か、また原告主張の八五〇万円であつたかについて考えるに、<証拠省略>を総合すれば、原告(代表社員新津三郎)が昭和三四年一一月三日訴外山長木材株式会社(代表取締役古島利徳)との間に締結した右立木の売買代金は一、一五〇万円であり、右新津三郎は、原告代表者の名義で、このうち一五〇万円については同月四日頃、七〇〇万円については同年一二月四日頃、右古島利徳よりいずれも伊予銀行字和島支店振出の自己宛小切手を受取つて代金を受領し、以上合計八五〇万円だけは山林収入として原告の帳簿に計上したが、残余の三〇〇万円については同月四日頃右古島より同じく同銀行宇和島支店振出の自己宛小切手を受取つたにもかかわらず山林収入として計上せず、同月八日これを現金化した上同支店において字都宮信子外九口の架空名儀定期預金として預け入れ、係争事業年度における原告の所得として申告しなかつたことを認めることができる。原告提出にかかる甲第三号証(立木売買契約書)には、本件立木の売買代金が八五〇万円である旨の記載があり、原告代表者もこれに副う供述をしているが、前認定の資料に供した各証拠によれば、右契約書の金額は実際の売買価額より低く記載したものと認められるので、右甲号証の記載は前認定の妨げとなるものでなく、右原告代表者の供述は措信できない。また、証人古島利徳の証言中、右三〇〇万円は、同人が右契約当時、別途昭和三五年三月に原告から買受けた北宇和郡日吉村日向谷トクベイの山村二筆の買入予約をし、この予約分を含めて裏金として交付した旨供述しているが、前顕乙第三号証の一、三、同第一四号証の各記載及び証人鳥谷博、同福永和夫の各証言(ことに被告の調査時にかかる弁解はなかつたこと、両売買の各木材の石数等から推認される価額の釣合、予約から売買成立までの経過期間及び転売の状況)に対比して措信できず、他に右認定を覆すに足る証拠はない。
しかして、右認定の事実からすれば、この三〇〇万円は原告において簿外資産として除外蓄積していたものと考えられるので、被告がこれを山林収入除外利益として係争事業年度の所得に加算したのは相当である。
(二) 未計上リベート等三七七、三七五円について(別紙第一表5)
原告がその取引先である日本製粉から被告主張の期間にその主張の数量の商品(別紙第二表)を購入したこと及び原告が日本製粉から右期間内のリベートとして一〇八、五三五円を申告したことは当事者間に争いがない。
そこで、まず原告が日本製粉から支払を受ける割戻金等いわゆるリベートについて、その算定基準があらかじめその購入商品の数量によつて一定していたかどうかについて考えるに<証拠省略>を総合すれば、次の事実すなわち(1) 割戻金(出荷奨励金)は昭和三〇年一二月に、松山出張所向特別奨励金は昭和三四年四月に、強力粉特別奨励金は昭和三四年一〇月に、運賃補助は昭和二九年八月に各設定されたもので、その算定基準は別紙第二表の該当欄に記載のとおりであつたこと、(2) 右いわゆるリベートは、日本製粉が企業競争上傘下特約店の販売活動を促進し販路拡張を企る目的で、その特約店の実績や市場開拓の難易等を考慮して設定したもので、予めその具体的条件を特約店に明示しなければ設定の趣旨に反し所期の目的を達せられない性質のものであつて、一且設定された以上、それは単に恩恵的性質のものでなく新らたに特約店の了承を得て基準を改訂するまでは一方的に不利益に変更しえないものであること、(3) 日本製粉においては、右リベート中前三者は出荷商品の種類、数量とあらかじめ定めてある基準により、また運賃補助は原告からその傘下の取引先への送付商品の数量の報告に基いて同様あらかじめ設定されている基準により、三月及び九月の決算期に計算書を送付し、決算期後二ケ月以内に直接送金または保証金に振替えることにより支払をなしていたもので、計算書の送付が原告の決算期後となることはあるが、原告において運賃補助を除くその他のリベートを算定するに必要な日本製粉からの出荷商品の種類、数量及び運賃補助の算定上必要な各取引先への送付商品の数量は、その決算期において、該事業年度の最終月分を除きその余の分は通常の経理努力をなせば把握しうること、以上の事実を認めることができ、この事実によれば右リベートの算定基準は予め定つており、原告もこれを了知し、または少くとも電話連絡とか連絡員の派遣等により当然了知しうべき状況にあることを推認でき、出荷袋数等も把握しうるものであるから、本件リベートは係争事業年度の所得に対応し、しかもその決算期においてこれを自主計算することは可能であると考えるが相当である。もつとも、<証拠省略>によれば、原告は係争事業年度以前において、従来リベートを日本製粉からの送金または振替通知があつて始めて帳簿に計上し、従つて該事業年度下期のリベートは翌事業年度の利益として計上していたこと、更に甲第二号証の一、二によれば、現に日本製粉は係争事業年度下期の出荷奨励金等二九一、八八〇円(ただし、この金額は本件リベート外のものも含む。)を昭和三五年五月二三日付の保証金振替通知書により、運賃補助三〇八、七三〇円を同日付送金案内書により振替及び送金をし、原告は翌事業年度の五月二五日付で雑収入勘定に記帳していたことが認められるが、右経理上の処理は、前認定の資料に供した各証拠と対比すれば、リベートの自主計算が不能であつたためではなく、単に経理上の煩雑を避けるため慢然かかる処理をしてきたものと推認されるから、仮りに従来税務当局が原告に対しこのような経理方法を指摘しその是正を求めたことがなかつたとしても、その経理方法が正規の利益計算の方法といえないものであることに変りはないので、さような当局の態度も前示認定と矛盾するものではない。また、甲第二号証の三によれば、日本製粉が原告の要請により昭和三五年八月一〇日付で販売取引諸条件一覧表を原告に送付し、その一覧表中には本件リベートの算定基準についての記載があることが認められ、この点に関し原告代表者はこの一覧表の送付を受けて始めて本件リベートの算定基準を知り得た旨供述し、証人三好群吉も同趣旨の供述をしている。しかし、この一覧表は右の記載にとどまらず、翌事業年度新設のリベートについての記載及び多品目にわたる取引商品の仕切単価の記載が含まれており、これに<証拠省略>を併せ考えると、原告が日本製粉に対し取引諸条件の通知を求めたのは、既定のリベートに関する条件を知らされてなかつたためではなく、新リベートの設定、取引品目の多種化等に伴い翌事業年度分の取引条件を特に書面による明示を求め、これに応じて日本製粉が右一覧表を送付したものでこれに従来からのリベートの基準を記載してあるのはこの点については変更のない旨を単に確認する趣旨と解する余地が多分にあり、従つて右甲号証によつてはいまだ前認定を動かすに足らず、これに抵触する右原告代表者及び証人の各供述は措信できない。なお、甲第五号証には、日本製粉が原告との間にリベートについて契約書を取交わしていない旨の記載があるが、右は単に従来書面による約束はないとの趣旨に過ぎないので、何ら前認定の妨げとなるものではなく、その他右認定を左右するに足る証拠はない。
してみると本件割戻金等のいわゆるリベートは、その算定基準があらかじめ購入商品の種類、数量により一定しているので、原告が係争事業年度に購入した商品に関する右リベートは既に発生し、原告において自主計算し得るものであるから、現実に右年度内に支払われると否と問わず、係争事業年度の所得として課税の対象となるものである。
しかして、原告が係争事業年度において日本製粉から支払を受けることが確定していたリベートは、前叙当事者間に争いない係争事業年度における購入商品の数量に、前認定にかかるリベートの算定基準を乗じて算出すると、別紙第二表のとおり割戻金一三一、四七五円、松山出張所向特別奨励金一八、三六五円、強力粉特別奨励金二七、三四〇円、運賃補助三〇八、七三〇円、以上合計四八五、九一〇円となるので、これから原告が益金として計上した前叙争いのない一〇八、五三五円を控除した差額三七七、三七五円を原告の係争事業年度における所得に加算更生した被告の処分は相当である。
(三) 減価償却超過額五八五、一七四円(別紙第一表4)及び減価償却超過額の当期認容額七、二六四円、(同表9)について
原告が係争事業年度において申告した各固定資産の減価償却額及び被告の計算方法に従えば同年度の各固定資産の償却額がその主張の金額となり、その結果その主張の如き減価償却超過額及び減価償却超過額の当期認容額を生ずることは当事者間に争いがなく<証拠省略>によれば、別紙第三表9、11ないし13記載の各固定資産については前期から繰越した償却超過額があり、また同表1ないし10、13記載の各固定資産については前期から繰越した償却不足額があることが認められる。)しかして、法人税法施行細則第三条のにより前者は当該期末現在の帳簿価額に加算さるべきものであり、また前叙のとおり青色申告承認を坂消された結果、同法施行細則第三条の六により後者を繰越して計算することができなくなつたものであるから、被告がその主張の計算方法を採用したことに誤りはない。
従つて、被告が減価償却超過額及び減価償却超過額の当期認容額を前記各金額と認めた処分は相当である。
(四) 価格変動準備金否認一四〇万円について(別紙第一表7)
原告が係争事業年度において価格変動準備金勘定に一四〇万円を繰入れ損金として処理していたことは当事者間に争いない。右は、原告が従来青色申告承認を受けていたので、租税特別措置法第五三条により価格変動準備金勘定を設け繰入金額を損金に算入することが、許されていたものであるが、前叙のとおり係争事業年度以降青色申告承認を取消された結果、右損金算入が許されなくなつたもので、本訴においてその取消の当否についてもはや争えない以上、この点に立入つて判断するまでもなく、被告が右損金算入を否認し、これを係争事業年度の所得に加算した処分は相当である。
(五) 寄付金の損金不算入額三、五一四円について(別紙第一表8)前顕乙第七号証によれば、原告は寄付金額のうち一二、五〇〇円を損金に算入し、三、五一四円を損金不算入額として申告していたことは明らかである。被告は、法人税法第九条第三項、同法施行規則第七条の規定による寄付金の損金算入の限度額の計算において、本件更正決定により基礎となる所得金額が増加し、これに応じて損金に算入しうる範囲も増加した結果、右三、五一四円を更に損金に算入し、これを所得金額から控除したものであり、右計算は当然である。
三、右の諸理由によつて、被告が本件更正決定において、原告の係争事業年度の所得金額の算定上益金に算入しなかつた分を否認し、適正な計算方法によりその所得金額を五、九六六、六八一円と認定し、法人税法第一七条、第一七条の二により法人税額を二、四五六、四三〇円(所得金額に対する税額二、一六七、三〇八円と留保金額に対する特別税額二八九、一三〇円の合算額)と算定賦課したことは正当であり、なお各加算税につき、前叙第二の二の(一)で認定した事実関係に基づき、同法第四三条の二を適用し山林収入除外利益三〇〇万円を重加算税の対象として重加算税額を六二五、五〇〇円、また同法第四三条により過少申告加算税額を八、一五〇円と各算定賦課したことも正当であるから、右更正処分の取消を求める原告の請求は理由がない。
第三、結論
以上の次第で、原告の本件青色申告承認取消処分の取消を求める訴は不適法な訴であるから却下することとし、本件更正決定の取消を求める請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 谷本益繁 尾崎俊信 上野智)
第一、二表<省略>